見聞録と食べた物の魚拓

You’re what u eat. をかしモノ、食べたモノ、けったいなモノを記録したい。

ほかほかTempeはバナナの皮と新聞紙を纏う

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今日の収穫は、テンペ。この辺りでも貴重な、ちゃんとバナナの皮に包まれている本物!

目測40x200x8mmが4片で2RM、直換算で52円ほど。

今年は積極的に消費に励むことにしたので、今日は夕市に寄りつつ帰宅せり。

うちの近所と仕事場からの帰宅経路では、毎日何処かしらで夕市が立つ。引越し初年度に開拓し倒したので、何曜日には何処でどんな出店が商っているのか、大体把握した。

毎週火曜に立つ夕市のうち、今日はマレー人が多く商う夕市で買い物。マレー系の夕市の方が、面白い地物が多いし、全体的な単価設定も中華系夕市に比較してほんのり低いので、とても楽しい。

テンペは、スーパーマーケットでも売られているが、そんなんは大抵味気ない「工場で作られました」という包装(通気のための小穴がぽつぽつ空けられた透明ビニールに入れられているか、ワックス引きのボール紙に包まれている)なので、美味しくなさそう。見た目に違わず、実際あんまり美味しくない。一応発酵はちゃんとされてるし、売り場で触るとちゃんとほんのり温かいんだが、べとっとしてイマイチ。

しかし今日のは、バナナの皮と新聞紙という時点でほぼ確定なんだが、売り場に居てる時点で美味しそうな雰囲気だった。

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ほら、美味しそう。

菌糸ふかふか、しっとり温かくて、バナナの皮の良い香りを纏っておる。完璧。

これを、揚げ焼きにすると美味しいのは分かっているのだが、私は油モノを洗うのが大嫌いなのです。そんな強力な動機のおかげで、私はほとんど調理に油を使いません。

で、ココナツオイルを垂らし(菌糸が示す驚きの吸引力!揚げたら油脂摂取量がエラいことなるやつ)塩を振り、トースターオーブンで焼く。3分程。

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同じ夕市で、Nasi kerabuという、混ぜご飯も購入せり。

パリで立つmarchéと同様、あの屋台は何曜日には何処で何曜日には彼処で商う、という傾向が見えるのだが、これまで見かけことのない若い子等だけで商う机を発見したので、お試し。

注文後、米を収めてある保温容器にくっ付いている米粒の色で「あかんヤツ」と分かってしまったのだが、今更後には引けず、購入したよ。野菜山盛りにしてもらって。

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いやー、大惨事。鮮やかな青。この南洋の邦に住う人々は非常に着色料に寛大で、こんなごっつい色をさしていても、お気になさらぬ。店によっては、ちゃんとバタフライピーの花を入れて炊いた青なんだが、今日のはあかんやつやった。

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この紙、B4に近い寸法なので、米だけで1合くらいあるように思う。この店に限らず、Nasi Kerabu屋は往々にして盛りが良く、食べても食べても減らない気分で食事ができる。

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今日の店は、メインのタンパク質として牛しか用意されておらず、四ツ脚は避けたい私は、牛無しに仕様変更。青く炊かれた米どっさりに、小塗りで身の薄い万願寺に干魚の身とココナツと葱系の何かを詰めて炊いたやつと、茹で塩卵と、ココナツをエビっぽい何かをかりかりに乾煎りしたふりかけ、刻んだ青菜やキャベツ香草色々ともやしをわさっと載せ、buduという塩辛っぽい匂いのする魚醤の親戚っぽい醸造調味料に更に甘さと何かを足したタレと、青唐辛子と香草色々を刻んでどろどろに混ぜたSalsa verdeのようなタレをかけた、量的にもとても満足度の高い一品です。肉無しやし、5RM。

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このテンペ、大当たり!豆もしっとり柔らかく、菌糸もふかふかで妙な発酵臭もなく、米のアレさ具合を補って余りある秀逸な、私史上最高のテンペであった。職場で焼いて昼ごはんのおかずにしたろかな。

テンペの作り手を見つけて、とても気分が良い大潮明けの火曜日。まだ火曜日か。